W A L T Z

1 s t  m i n i  a l b u m

  1. ワルクナイ、ヨワクナイ
  2. 気晴らしなんかじゃ気は晴れない
  3. ヨロコビ(instrumental)
  4. 天才ワルツ






【本人によるコメント】
【ミニ・アルバム「WALTZ」の特徴】


    Epic/Sony Records dohb discs ESCB3014 ¥1200(with Tax) '95.3.24 Release 


本人によるコメント

WELCOME TO THE TOMOVSKY WORLD!!

バラバラな性格が集まり、何種類もの哲学を産み、ちぐはぐな音楽性を持つコトが長所でもあった『バンド』時代・・・しかし、年月を重ねていくうちに、ライブでもアルバムでも、最初から最後まで、ひとりの主人公が、そいつの人生観を繰り広げていくというコトに魅力を感じるようになっていったのです。

『TOMOVSKY』の音楽は、詞・曲すべてがオオキトモユキそのものです。だから『TOMOVSKY』をキライな人はオオキ自身の顔も性格もキライというコトになるでしょうし、スキな人はオオキトモユキという人物そのものをスキだ、という証明に他なりません。

このCDの中に歌われている詞のすべては、作者自身に向けたものだし、クサイけどそれは自分への応援歌だったりします。

「ワルクない、ヨワクない」という曲などは、例えば”いじめ”のニュースなんかと関連づけて解釈する人がいると思うけれど、けっして誰かのコトを思って書いた曲ではありません。自分のために作ったものは、世の中に何かを訴えかけたり、何かを変えようとするためのモノにはなり得ないでしょう。それでも、山奥にこもり、ひとりで作って満足するつもりじゃないから、もちろん、たくさんの人に聴いてもらいたい。ポップスの世界感とは、そういう風に成り立っているものだと思います。

すでに世の中に放ってしまった意志や行動(それがミュ-ジシャンにとっての"曲")なら、世間から良い評価を受ければウレシイし、悪い評価なら悲しいというそれだけのコト。最初っから誰かのために作られた歌なんて、本当のポップスにはならないし、なり得ないものです。結果的に売れている曲はたくさんあるけれど、作った人が見えないモノは、ポップスとは言えないと思うから....。

「誰かのために....」なんて考えたくないし、考えられない。とりあえず今はそう思っています。もちろん、この先、気が変わるかもしれないけど....。

ともかく、非常に個人的な題材を、非常に個人的な音楽(音質も含めて)にのせて歌う、トモフスキ-・ワ-ルドへ、みなさんも遊びに来てみませんか。

オオキ トモユキ:談



ミニ・アルバム「WALTZ」の特徴

*自宅録音で、ブル-ス・スプリングスティ-ンの2倍のクォリティ

自宅録音作品(特に、カセット・テ-プがレコ-ディング・マスタ-)として有名なのは、何と言っても、ブル-ス・スプリングスティ-ンの「ネブラスカ」。これは、TASCOMの4chで録音されている。これに対し、「WALTZ」ではTASCOM488(8ch)をレコ-ディングに使用。何と「ネブラスカ」2倍のチャンネル数である。現代のスタジオ作業は、チャンネル数に比例して進歩してきた。チャンネル数が倍ならば、サウンドのクォリティも2倍になるのだ。


*レニ・クラヴィッツと同じジャケット・コンセプト

レニ・クラヴィッツは、3rdアルバム「ARE YOU GONNA GO MY WAY」の制作にあたり、ロンドンのアビ-・ロ-ド・スタジオから機材を購入し、これがよほどうれしかったらしくジャケット写真にも、そのミキサ-をいじっているところを使用している。
今回の「WALTZ」制作のため、オオキ氏は自費でTASCOMの8chを購入。 見よ! 中ジャケには、オオキ氏とともに、このTASCOM488が写し出されているではないか。機材自体の値段の問題ではない。マインドは、全く同じなのだ。


*前衛パ-カッショニスト、デビッド・ヴァン・ティンガムの再来

自宅録音と言っても、「WALTZ」では安易なサンプリングによるリズム・トラック作りはしていない。耳を凝らして聴いて欲しい。M-4「天才ワルツ」におけるスネアは、宮前橋のセブン-イレブンで購入した鍋焼きうどんのアルミホイルだし、ギロのようなラテン・パ-カッション風のサウンドは、電気スト-ブの防災用鉄網だと、わかるはず。これはまるで、ひと昔前にCM等で流行ったニュ-・ヨ-クの前衛パ-カッショニスト、デビッド・ヴァン・ティンガムの再来ではないか。さらに、デビッド・ヴァン・ティンガムは、壁や地面を叩いていただけだが、オオキ氏はキ-ボ-ドもギタ-も歌もこなすマルチ・プレ-ヤ-なのだ。


*ジョン・レノン以来のコンポ-ザ-

M-2「気晴らしなんかじゃ気は晴れない」の歌詞に注目していただきたい。これは、穴掘りの歌なのである。主人公は、ひたすら穴を掘る。一心不乱に穴を掘るのだ。世界中見渡しても、穴掘りの歌なんて、ジョン・レノンの「dig it」以来の出来事だ。我々はこの20年間、何をしてきたんだろう。人は落ち込んだ時、穴を掘る以外、一体何ができるというのだ。「気晴らしなんかじゃ気は晴れない」は、いとも簡単に、暗闇の中、手探りで捜し物をしていた私たちに、解答を与えてくれた。


*今回のCDは”NO事務所戦法”なのだ。

オオキ トモユキは、フリ-のミュ-ジシャンである。いかなるプロダクションにも所属していない。音楽制作も、雑誌の取材もすべて直受けだ。既存の音楽業界の方法論に迎合せず、あくまでも、自分のペ-スで進めている。このスタンスがあってこそ、TOMOVSKYという亡命外人の視点で、我々にとっての日常を、まるで違次元の世界に映し出すことができるのだ。NO事務所戦法は、TOMOVSKYの音楽感そのものでもある。




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