つれづれライブ日記


vol.262
2007. 6. 9
「ライブの想い出」

6月9日  theピーズの渋谷AX

トモフのライブではないけれど、theピーズ20周年ライブに 親族代表としてお誘い頂き、楽しく出場してきました。いやぁ、今となっては遠い思い出なのだが、体中から煙がボオボオ噴出して、まる焦げ気分でその後の3日間くらい過ごしていた記憶があります。ま、とりあえずあの日の夕方あたりから。

昼3時くらいに楽屋に入ると、もうメンツが最高に居心地良いの。みんなダラダラニコニコしてる。倉持とかトータスとかとは、前はしょっちゅう会えてたのに最近会ってなかったからさ、元気で再会できただけで、ジュワ~っと、、、ウキウキした。民生くんは オレと同い年なんだけど すごく大人に感じる。なんだろお、あの落ち着き! 日本の男ってカンジ。千葉県人には出せない空気だ。ミネタくんは ひとりだけ若手(他がみんな40男たちだもんね)で、こじんまり猫をかぶっていた。一番とんでもない人間なんだけどな。

すこし離れた所には 楽器チーム。ぴーちゃん、キュウちゃん、小五郎、イカリ君、ケーやんたち。基本的に楽屋みんな笑顔。でも、みんなソワソワなカンジ。壁にはその日のタイムテーブルが貼られてて、それぞれの出番が書いてあんの。そ、この日はね、ピーズのライブのところどころで「んでは、ここで誰々~」って呼ばれて、ゲストとして登場するカタチ。前もって各自、「君はこの曲をヨロシク」ってハルから指令されてる。だからその楽屋、ニコニコなんだけどソワソワなの。オタオタなの。それぞれのカンペ(ボーカルだったら歌詞の紙、楽器だったら譜面とか)をつねにじっくり見てて、出番が来るまで最終マスター。

そうこうしてるうちに ピースのライブ始まってさ、なんかスゴくいいムードでさ。楽屋にはテレビがあって ライブが中継されてんのだ。みんなで「うわあああ、、」「うおおおお、、、」。ピーズだけで当然バッチリなのだ。20周年っつう祭りな魔法ってのを差し引いても、この日のピーズは絶好調。観客もまるで大晦日な盛り上がり。楽屋、びびるびびる。「ここに、オレら登場するのか?しなきゃいけないのか?」ってカンジ。

出番が近づくと「誰々さ~ん、そろそろステージわきに、、」ってスタッフから声が掛かる。注射を待つ患者たちの景色だ。「お先に行ってきま~す。」「頑張って~!」で、ステージから帰ってくると「どうだった?お医者さん、優しかった?痛くなかった?」みたいなね。

オレは結構終盤に出場。前の人たち、みんな温かく迎えられて、ばっちりこなしてきてて、やたらテンション上がったなあ。兄から与えられた課題曲は「死にたい奴は死ね」。練習用に音をカセットテープで渡されて、でもオレんちカセット聴けないから、ヤマダ電機の店内のラジカセで練習しました。私服の万引き警備員が何度もオレの背後にやって来る中、巻き戻しては再生、巻き戻しては再生。一応ラジカセの音質チェックの演技をしつつ。が、そんなせつない特訓など無意味だった!

いい曲なんだよ、「死にたい奴は死ね」。でもエンディングが長いの。歌った後の演奏のみの部分が。ピーズ3人の場合は そこはギターソロとかで、グリングリンに盛り上がりを引っ張る時間なんだけど、手ぶらの歌手は、さあどうすれば良いのだ。ま、とりあえずは無難に「yeah、おめでた~い!」みたくやってたけど 全然曲が終わらない様子で、ハルもアビコも「さあ、トモ、何をやるんだ~?」って悪魔な笑顔をしている。

で、しょうないから長野Jでやった、笛吹き仙人。言っとくけど、アビコが言ってたんだからな、低いうなり声で、「笛吹き仙人、あれは良い」って。なので、この日は1000人の観客の前、ピーズトライアングルの真ん中に仙人登場。でもそれだけじゃ終わらしてくれなくて、笛(実際は手ぶらだぞ。空気笛!)をバトンに持ち替えて バトントワラーになってステージのヘリを右から左へ。兄と目が合う。「かわいそうに、、」とゆう目をして笑っている。だが、まだ終わらしてくれず。ブレイクダンスの背中で床クルクルに2回ほど挑戦。同じ引き出しから ムーンウォーク。依然、演奏は続く。この頃になるとお客さんの存在は消えている。一応、曲に合わせて「死ねえ! 死んじまえ~!」と空に向かって叫ぶが、なんとかハルとアビコに「参りました! もうOKです!」と言わせなきゃ、と必死だった。で、ピッチャーになってピシュっ、バッターになってカッキ~ン、やったぁホームランだぁ。鳥になって羽ばたいてもみた。気づくとアビコとハルが近寄って演奏してるから、「あ、これは、きっとトンネルなんだな」と思ったので、ホフク前進で2人の股をくぐってみた。トンネルをくぐってAXの眩しい照明が体中に刺さった頃、ようやくシンちゃんが曲を終わらせてくれた。いつも、頼りになるのはシンちゃんだけだ。

待合室に帰ったら楽屋は温かく迎えてくれた。「よくやった! 頑張った!」と。、、、、、あんなに頑張れる事は この先20年は無い!