つれづれライブ日記


vol.636
2015. 9.20

9月20日 恵比寿 BATICA



コレクターズの元ベーシスト、おりさんが、コレクターズを離れて新しい冒険を始めたっ!

数日前のメールで、「大人の事情でコレクターズを脱退」みたいにご本人はおっしゃってたけど、実は違うねー。「本能の事情」だっ!「バンドをしながら並行してのソロ活動」っていうカタチでは収納不可能な無限の本能が、ついに爆発っ!、、って、勝手に推測もうしあげます。おりさんは、オレが思ってた「おりさん」じゃなかったのだ。何たって、ソロ名義は「フランシス」。ステージに白いジャケットでひとり立ち、ズッシリした口調で「こんばんわ、フランシスです」。果てしない!

おりさんのビッグバンを目撃する数時間前の夕方。恵比寿BATICAを目指してドライブうろうろ。初めてなのだココ。出発前に検索したら「駒沢通り沿い、ローソンの隣り」なのだが、ううむ、、、一発目では見つからず素通り。再トライで発見!なーるほど。ローソンはローソンでも「ナチュラルローソン」だった。青い看板を探してちゃだめだったのだ。罠だぜ。これから行くひとよ、気をつけろ!

到着。ここかぁ、BATICA!そして「おひさしぶりです」と、おりさん(この時点では、まだ「おりさん」)が店の外で待っててくれた。お洒落な店だあ。新しいのかな。きれいだ。入るとまず、ポップなBAR。ヤバイ。カッコいいとこに来ちゃったねー。汚しちゃいけない、気をつけよう。なるべくタバコは外で吸った。

おりさんに案内されて狭い階段を昇ってゆく。天井裏に潜入する感じ。扉を押すとそこがライブフロア。薄暗い。想像していたよりか密室。縦長で、船の底みたいだ。あやしいー!きっとオーナーさん、完成した時「恵比寿に隠れ家作ったどー!」ってハシャいだに違いない。

リハをパシッと済ませて、ライブの時間までは1階でのんびり。DJさんが店内に流してくれてるBGMがカッコよくて、うなりっぱなしだった。一度も聴いた事ないのばっかり。DJさんのとこに行って「これ誰?これ誰?」って何度も尋ねフスキーしていた。いままでは「DJ」って、他人の曲かけてワイワイ煽ってチャラチャラしてるだけじゃん!とか思ってたんだけど、偏見でした。すみません。ふだんからいろんな曲を発掘してたり、で、どの曲をどのタイミングでかけるのかっつう、、センスの勝負師たちなのだなあ。敬服。

さ、開演。トップバッター、オレ。ひとりトモフ。あやしい船室は、お客さんが入るとちょうどいい、こじんまりなライブ部屋に。ガヤガヤガヤ。今夜のトモフのテーマは「夏の終わり49歳」。バンドトモフでグリグリなライブが続いてたんで、しっぽりバージョンで行くぞと。「 ほうき」とか。あと実験的に「 人生は無限だ」をスカバージョンってのにトライ。なかなか良さげだったんでバンドでもやってみよー。さらにしっぽり、「 夕焼け小焼け」からの「円盤を待っている」。「うしろの記憶」は、お客さんのリフ合唱の洪水がセミみたいで、まさに「さらば夏」だった。ああー、しっぽり。残り時間を聞いて「脳」と「映画の中」で完走。おおお、ジャスト45分。よし!グッジョブ!

二番手がカーネーションの直枝さん。うっおぉぉ!スゴイ!全くオレなんかとは違う、歌もギターも!透明感、艶、丁寧。でもワイルド。凄みがビシビシせめてくる。美しい曲たち。でも、ただのキレイな「歌もの」っつうんじゃなくて、根底にパンクみたいな、かつてのニューウェイブみたいな無邪気にねじれてる少年の血がドクドクドクって感じ。これが直枝さんかぁ、、大刺激だった。

そして今夜の首謀者、フランシス(元おりさん)降臨。冒頭でも書いたけど、今まで知ってた「おりさん」は、彼のほんの一部分だった。いや、大袈裟に言うと「ニセのおりさん」だったのだ!ライブ冒頭からあっけに取られて頭の中でゴオーン(鐘)。「おりさん、こうゆう世界をやりたかったんだぁ、、」って衝撃。 ご本人は謙虚に「おっさんのカラオケ」とか「箱庭的な作品」みたいに語っていたけど、いやぁ、壮大な宇宙が見えました。ワールドじゃなく、宇宙。果てしない。オケの完成度もすごかった。ギターも鍵盤もカッコいい。こんなに全楽器やりまくる人とは思っていなかった。すごいよ、おりさん!いや、フランシスっ!

最後に3人でセッションタイム。曲はカーネーションの「夜の煙突」。この曲、せんえつながら自分、2日前に初めて聴きまして。昔からの代表的な曲とのことだけど、いい曲っ!サビのワンフレーズだけで持ってっちゃうんだよ。こうゆうのこそ名曲。で、この夜のためにフランシスさん、完璧なオケを作ってきたのだ。グリグリのオケ。ブリブリのベースは生で。やんちゃに歌いまくる直枝さん。自分は、名曲だなぁって酔いしれつつ、タンバリン。49のくせに若手な気分でコーラス頑張りました。

終演後も楽しかったなぁ。フランシスや直枝さんの物販姉さんたちも楽しいヒトたちだった。ニャオル買ってもらっちゃったよ、すみません。楽屋で直枝さんとおしゃべり。直枝さんはパッと見は静かでちょっと怖そうなんだけど、めちゃくちゃキサク。しかも同じ「猫好き派」。良かった。たくさんお話ししてくれてありがとうございました。

ちなみに、偶然この日の三人は皆、かつてナゴムレコード(ケラさんのレーベル)に関わった経験ありで、すなわち、『ナゴムナイト2015 in 恵比寿』だったのだ。しゅわああ。ちょっと普通じゃない先輩方が、リアルタイムでまだまだ無邪気にヤリまくってて、しかもDJさんの選曲はビシビシで、かなり刺激になった夜でした。こうゆう日って大事だなあ。混ぜてくれてありがとうございました。フランシーっス!