つれづれライブ日記


vol.657
2016. 1. 8

1月8日 新宿 MARZ



いつもは夏の終わりに青森のスキー場で開催される、愛しい熱いフェス「夏の魔物」。主催者の成田くんが東京でもイベントをガンガンやってて、真冬の新宿歌舞伎町にバンドトモフを誘ってくれた。ありがとー!ワクワクだ。自分らは今年1発目のライブ。いざ2016。

現場に到着してから「ん?バンドで出るのはトモフだけ!」って判明。ぬおおお。微妙なプレッシャー。他のチームはオケに合わせて歌い踊り時々暴れるスタイル。基本的に女子のグループ。一般的なくくりだと「アイドル」って言うのかもな。でも、その単語はあんまりピンと来ない。魔物に出演するひとたちは特に。テレビとかに出てるような、いわゆる「アイドル」ってゆう感じじゃない。アスリート、格闘家、戦士って感じ。可愛いっつうよりか、激しくて勇ましくてかっこいい。

夕方のリハーサルでまず感服。全く手加減無しなのだ。まさにプロ意識。本番ギリギリまで各自で反復調整してたり、発声練習してたり。一言で言えば「体育会系」。楽屋とかでも、あいさつとか言葉使いとかメチャクチャ丁寧。ライブ(試合)開始に向けてどんどん気合いを高めてく戦士たち。俺らはヌルイのか。ステージに上がってからスイッチオンだもんなあ。その場その場がその日をつくるっしょって、、成り行きまかせ系。プチ反省。

6時半にイベント開始。いいぞ、いいぞ。いかがわしくてにぎやかな集まり。まるで外国。蒸し暑い。まるで香港。こーゆーの大好き。戦士たちが次々とパフォーマンス。もちろん手抜き無し。お客さんも手抜き無し。強者ばかりだ。ライブを一緒に作ってやるぜ!って心意気を感じた。バンドのライブでも多少そうゆう「一緒に作る感」はあるけど、なんかもう、かなり別次元。やる側からの発信に対しての一体化じゃなくて、双方向なのだ。エネルギーの浴びせ合いって感じ。美しい。引く人は引くのかなあ。
ベルハー(ベルリン少女ハート)っていうチーム、かなり個性的で、あやしくて激しい演劇みたいだった。オケの曲、ヤバいね。昔のニューウェイブのようなサイケなグリグリ曲の連発。創作チーム、めちゃくちゃ強者だ。ひたすら、楽屋で「おおお!」ってうなってた。そんなオケをバックに淡々と、でも激しく息絶え絶えに歌う少女たち。そして浦和レッズのサポーターのような熱いオーディエンス。強力な関係。完璧な空気だった。「優等生アイドルと暗いオタク」みたいな構図は遠い昔の錯覚みたい。すごいぜ、日本。

で、宴もたけなわな時間帯にバンドトモフ。さっきの女子からしたら余裕で父親世代だぜ。ちょっと、ずいぶんプレッシャーじゃんか!そもそもこのイベントにバンドが出てきて大丈夫なのか?フロアの強者たちは俺たちにも強者でいてくれるのかー?そしたら彼ら、俺らにも歓迎モードで盛り上げてくれるのだ。なんてオープンな奴等なんだ!わあー!正直すっごくホッとした。

さすがに光る棒の振り回しとかは無いんだけど、いちいちナイスなリアクション。こっちが出せば何倍にもなって返ってくる。頑張りがいがあるっていいね。曲が終わるたびに低ーい男の声が頼もしい。「無計画とゆう名の壮大な計画」のコーラスもバッチリやってもらった。あの曲の冒頭、男のコーラス、大事じゃん?乗員乗客はやっぱり男女半々が良い。

確実に初トモフっぽい青年を呼びよせ海ガメになってもらった。もちろんキョトンとしていたが。ヘイヘイヘイと肩に乗っけてもらって。で、ふだんとは違う景色の海へ大航海。もおーハイタッチしまくり。いい手ばかりだった。「受け入れてくれるんじゃんかー!嬉しいねー、このお、このお!」って。普段のトモフ同志たちもつられて盛り上がる。ナイスな相乗効果。







こうゆう愛くるしい熱い空気って、青森開催の独特な環境からくる偶然の産物かと思ってたんだけど、魔物は東京でも魔物だった。すごいよ。やってるねー、成田くん。

最後は彼のユニット「夏の魔物」。フェスの名前がいつのまにかチーム名になったのか、もしかしたら、そもそもそうゆう計画だったのか。どっちにしろ素晴らしい。ちなみに成田くんは「無計画」と「あのはなしのつづき」が大好きなんだってさ。嬉しい男の子だぜ、まったくー!

終盤、場内にあやしい音楽が流れ、黒い衣装の悪者軍団が乱入。トモフは黒系ボンデージ衣装の覆面女子たち(ブラックDPG)に拉致された。両腕つかまれて「助けてくれー!」と叫ぶオレ。たのしいー!いや、大変な事態なのだ。そこに正義の味方アントンくん(魔物チーム)が現れて敵のボスと決闘。歌舞伎町の地下でプロレスが始まった。ステキだ。大騒ぎだ。ちゃんとアントンくんが勝ち、オレを解放してくれた(ずーっと捕われていたかった気もしたが、、)。で、フィニッシュ役はトモフに振られてて、敵のボスにまたがり腕をピシーっと。効いてるはず無いんだけど「勝ったあ!」、、はあああ、、50になっても楽しい日。ハタチの俺におしえてあげたい。

こんな日本になってるなんて、新年しょっぱなから刺激ハードルあがったなあ。本当にありがとう成田くん。競演チーム、お客さん、みんな天使だった。すべてからエネルギーを吸収しまくりな一日だった。わーい、頑張ろー。