つれづれライブ日記


vol.767
2018. 4.13

4月13日 六本木 虎寅虎



初めて来た。「とらとらとら」。個性的な名前だ。タイガースファンなのか、真珠湾攻撃に何か強い思い入れがあるのか、飼い猫の名前の連呼なのか。3番目だったらグッとくる!


いやあ、、六本木なんてさ、本当に滅多に来ないんだよ。記憶にあるのは、ハタチの頃、自転車での深夜遠出が大好きで、夜中に三茶から東京タワーまで遠征して、夜空に突き刺さるオレンジの柱を見上げて感動っ!で、帰りは246かなー、、って適当に走ってたら六本木に通りかかっちゃって。ちょうど当時、日本は思いっきりバブル。真夜中はギンギンギラギラ。日本人も外国人もブワーと。店から漏れる4つ打ちビートがドッシャンドっしゃん、初詣みたいな舗道。そんな中、ママチャリの酔っ払い青年トモフ(その頃はカステラ君か、、)は「このチャリ、邪魔邪魔」って白い青い目でブーブーにらまれたのだった。そんな街っ!


そんなファックオフな六本木に52歳で再びやって来ることになるなんて、人生とはイビツなもんでございます。でもね、今回はいいとこ見つけたんだよ。あの街ね、、実はくすぐったいっ!メインの交差点とか大通りは相変わらず(ジャンル的に)居心地最悪なんだけど、小道とかに入ると、全然こ綺麗じゃないのだ。近代的なヒルズ・イメージは皆無。「平べったく広めで真っ直ぐ区画整理」とかされてない。坂とか道が昔のまんま。狭くて一通が多いのもお茶目。「あ!いいんじゃん、この辺り」って何度か脳にツーンときた。坂の入り口にはちゃんと坂の名札が立ってる。地図持ってまた来よう。ブラトモフ。夜中に。


この日は、ぐるり(札幌の高橋さんのバンド)の東京遠征の共演で誘われたのだ。高橋さん(歳下だから「君」かな)、自分が出会った時は「札幌のライブの企画マン」だったんだけど、実はバンドマンだったのだ。ついに本気スイッチオンで、時々こっちに遠征スタートしてて、たぶん、今回の計画当初は「東京では知名度が謎だから多少でも動員のアシストに」って感じで自分が共演だったんだろうけど、いやあ全然、ぐるり、人気者だった!つうか、ぐるりワンマンでやれたじゃん。めちゃギュウギュウだった。


っつうのも、、とらとらとら、すっごいコンパクトなのさ。驚くよ。さっきも書いたけど、自分らが植え付けられてる「六本木」って、ほんの一部のイメージなのだよ。大部分は、めっちゃ昭和。下手したら江戸!愛くるしくてエネルギッシュな小規模店舗の集合体。


トップバッター、ひとりトモフ!





お客さん、とにかく近い。何もかも(小声も体温も唾も)届く。こうゆう環境も大好き。やりがいフェチ。トモフ初心者もいる中で、恒例、その日その日の「新曲コーナー」。この日の曲、タイトルは「負けた」。





解説・・・自分のお気に入りの場所に、いつも通り深夜3時頃に日本酒&タバコでプラプラ行ったら、自分よりかメチャくつろいでるヤツがいた。なんと全裸で。右に左に機敏にうろうろ。最初は幽霊か妖精か宇宙人かと思ったんだけど、ちゃんと人間で、たのしそう。情けないことに、オレ、驚いて、くるっと引き返しちゃったんだよ。危険だ!って怖がったんじゃなくて、敗北感で。「自分よりも、あの場所を愛してるヤツがいる、、」かなりショックだった。で、曲にしたのさ。サビは「まーけーたー♪」を重厚に繰り返す。お客さんにはトモフを指差しながらの「まーけーたー♪」の合唱を要求。「へい!ちゃんと指差すっ!」と厳しい指示。





そんなこんなで、持ち時間60分(厳密には2分押し)バッツリ完走。旧曲、新譜曲、その日の曲、やりきったー!灼熱。ものすごく汗だく。





「じゃ、次は、ぐるりー!」と退場。楽屋が無いから店の入り口階段のコンセントにドライヤーさしてブオオオオ。身体を入念に乾かさなきゃなのだ。この前の十三でライブ後ケアを怠ったら、1週間カゼひいちゃったんだよ。めんどくさいよー、風邪。ま、日々不摂生ってのが大きいんだけど。


階段の下からぐるりの大盛り上がりが聴こえてきてた。今回の東京メンバーのドラムは小林君(ジュンスカの)。小林君は環七エミちゃんズ(自分らの草野球チーム)の2番手のピッチャーでもある。ちなみに1番手は小五郎で、0番手(初期)は自分がピッチャーだったんだ。当時はハルとがキャッチャーしてた。投げすぎで肩壊して引退してレフトへ。あ、小五郎よりも今谷(演劇の役者青年)が1番手だった。、、話題がローカル過ぎるので、詳しくはシンちゃんに。


野球バッチリな小林君、ドラムもバッチリ!とゆうか、ドラムがやっぱり本業だ。さすがだった。「ぐるり」はあらかじめ準備したオケ(鍵盤とかが入ってる)と同期でプレイっつう曲もあって、普通、そうゆう「オケ」に合わせて叩こうとすると、タイミングがズレるのが危険だからノビノビ出来ないんだけど、小林君はバッチリグイグイだった。かなり尊敬した。「野球がバッチリな男は何やってもバッチリ」っう、昭和の法則。そして終演。場内しばらく楽しそうにガヤガヤ。高橋くん、「やりきった感」の、いい顔フィニッシュ。それぞれの本業。輝いてたなあ。お疲れ様です。にぎやかなトラトラトラだったー!サンキュー。