【TOMOVSKY vs. オーノキヨフミ】

2日目はTOMOVSKYとオーノキヨフミの弾き語り対決!
バンドでも1人でもOK(しかも宅録派)という共通点をもつ2人がそれぞれどんなライブを繰り広げるのか!?
この対談で見えてくる、かも?
■下北のライブハウスが苦手だったんです(オーノ)
トモフ:はじめて会ったのっていつだったっけね。
オーノ:最初は渋谷のエッグマンで対バンしたときですよね。楽屋で挨拶したんだけど、トモさんけっこうへべれけで。2月に吉祥寺で会ったのが3回目くらいで、そこでようやく認知されはじめたというか。
トモフ:でもオーノくんもへべれけだったよ。吉祥寺んときはワタナベイビーと楽屋にいたら、そこにすごい好青年な人が来て「おひさしぶりです」って言われたんだ。「こんな好青年は俺の知り合いにいないよ!」って思った。
オーノ:ぜんぜん好青年じゃないですけどね。会ったら緊張しちゃって。
トモフ:うん、きょう会ったらあんまり好青年に見えない(笑)。ライブのときは輝いてるからなあ。
オーノ:あはは。でも今回いっしょにやるのすごく楽しみで。
トモフ:(下北沢)Queの店長の二位さんがオーノくんを推薦してくれたんだよね。
オーノ:ぼくはそのね、向き合うことにしましたよ。下北沢に。
トモフ:おお? じゃあそれまでは何?
オーノ:下北沢否定派でした。正直言うと下北のライブハウスが苦手だったんです。みんなが「音楽やろうぜ!」って感じが北海道から来たぼくには怖かった。
トモフ:そのうちの1人になるのはイヤだ、みたいな?
オーノ:なんか疲れちゃってね。もっとおじいちゃんとかおばあちゃんとかおっちゃんとか子供とか平均的にいる街が好きで。渋谷とかもきらいだし。Queも最初はきらいだったんですけど、よく顔出すようになって、話してるうちにちょっとずつ氷解してきて。居心地よくなってきましたね。
トモフ:俺は東京出てきたときから、こういうもんだろうと思ってたなあ。下北来たら下北ってのはこういうものなんだろうなぁって、抵抗なかった。けっこうなじむんだよね。俺。
オーノ:適応力があるんですね。
トモフ:適応力しかない(笑)。主体性がないのよ。自分がないからさ。だからいきなり
クラスで掃除係って決まったら、何にも疑問を持たずに掃除するタイプ。
オーノ:ちょっとうらやましいな。
トモフ:どうなんだろうね。いま話を聞いてるとオーノくんすごい自分を持ってるからなあ。すごいよ。

■俺のお客さんは性格いいよ(TOMOVSKY)
トモフ:今回は1人対決なんだよね?
オーノ:そうです、ぼくも1人で。トモさん、前後はバンドなんですか?
トモフ:うん、1日目と3日目はバンドで。
オーノ:1人だと水飲むタイミングが難しいですよね(笑)。ただテンポ的には、自分の好きなときに勝手に止めたり再スタートしたりいろいろできるのがいい。
トモフ:そうだよ、テンポ自由。それ忘れてた。
オーノ:自由いいですよね。本番中に曲順が前後しても曲目変えてもいいんですもんね。
トモさん、どんな感じでやります?
トモフ:3日とも来てくれる人いるだろうから、2日目はとんでもなく違ったものにしないと。とは言いつつ、とんでもないだけでもダメだしね。でも俺きっとすごいライブをする。そんな気がする。オーノくんのファンもいっぱい来るだろうし。やっぱりそういうのちょっと意識するよね。
オーノ:しますね。
トモフ:でも俺のファンはやさしいよ。けっこうおとなしめな人が多いかな。
オーノ:それうれしい。ぼくね「おまえら立てよ」とか言えないんですよ。葬式みたいなライブを繰り返してきた人なんで。
トモフ:葬式な人に葬式っぽくあわせるお客さんたち。素晴らしい。でも案外オーノくん大喝采浴びて、俺出づらくなるかもしれないよ。あんなにおとなしいと思っていた俺のお客さんは実は……。
オーノ:(笑)。逆かもしれませんよ。ぼくのお客さんもおとなしいですからね。トモさんのときにすごく盛り上がってぼくがへこむかもしれない。ふだん手拍子とかしないはずのシスターたちが……。
トモフ:俺のお客さんは性格いいよ。でもちょっといびつなところを持ってる。だから俺のライブにくると思うんだけど。オーノくんのファンの子のほうがキラキラしてる感じがあるよね。オーノくんもキラキラしてるし。そうやって言われるのイヤかもしれないけど。ホントはドロドロしてるの?
オーノ:最近自分がよくわからなくなっちゃって、今度のライブでそれもちょっと探したいなと思って。
トモフ:見せ方ってこと?
オーノ:見せ方もそうだし、やりたいこととか。いまはライブやりたいんです。昔はライブ=胃が痛くなるってイメージであんまりやりたくなかった。でもいまは自分からやりたいな、と思っていて。トモさんとのライブも、やったほうが得だからとかじゃなくてただやりたいからやる。すごい楽しみだし、盛り上がってますよ。
トモフ:すごいな。そんないろいろ考えてたんだ。俺きょうのこの対談でモチベーションが上がった。よかった。こういうことってあるんだなあ。オーノくんってこんな人だったのか。
■1曲ずつお互いの曲をカバーしようよ(TOMOVSKY)
トモフ:今回どんな曲やろうかな。
オーノ:どうしましょうか。まったく決めてないんですよね。
トモフ:1曲ずつお互いの曲をカバーしようよ。そんで第3部で2人でいっしょにやろっか?
オーノ:いいっすね。いっしょにやりましょうよ。
トモフ:ドキドキしてきたな。
オーノ:何やろうかな。ぼくトモさんの「ORANGE FICTION」がすごく好きで、いつも聴いてるんですよ。だからこの中からやりたいんですけど。
トモフ:じゃあ俺もオーノくんのアルバムの中から。
オーノ:適当に選んでください。
トモフ:オススメの曲とかある?
オーノ:2枚しかないんでね。
トモフ:じゃあ選曲したら伝えるよ。

■最高ですよ。俺いまの言葉メモって帰りたいな(オーノ)
トモフ:しっかしオーノくんすごいな。ライブハウスだと照明浴びてホントに輝いてるしね。
オーノ:ステージに立つと背筋が伸びるんですよ。それがイヤでね。
トモフ:イヤなんだ?
オーノ:トモさんは楽屋であった人間像とあまり変わらずにライブのステージに上がってるのがすごいなと思って。
トモフ:そこが実はマイナスだったりする。どっちかっていったら、ふだん冴えない人がステージで強烈なオーラを発揮するほうがいいと思うんだけどな。
オーノ:それもいいですね。
トモフ:俺はたれ目で醤油顔だからさ、あんまりそうならないんだよね。オーラを出しづらいルックスなんだよね。ステージだと輝く、みたいなのがない。
オーノ:それ面白いですね。でも客席に降りてるときにトモさん輝いてますよ。
トモフ:マジ? 照明さんのおかげかな。
オーノ:オーラのせいです。人物オーラ。お客さんと同じ高さに降りてくって素敵ですよね。なかなかできない。
トモフ:でもあれはね、ほんと最近だよ。昔はやっぱりお客さんのことを恐れていた。お客さんに好かれなきゃいけないみたいな気持ちがあった。そうするとあんなことできないじゃん。でも最近はお客さんは俺と同士だと思ってんの。
オーノ:それですよ。
トモフ:自分を少しあきらめたらすごいラクになった。
オーノ:それすごいことですよ。やっぱりよく思われたいとか気に入られたいって気持ちばっかりだとよくない。
トモフ:友達ってのとは違うんだけどさ、お客さんも俺と同じくひと癖もふた癖もある連中だと思うようになった。「イエー!」とか言われても、「イエー!」なんて自分もやらないじゃん。
オーノ:最高ですね。最高ですよ。俺いまの言葉メモって帰りたいな。
トモフ:そんなにためになるようなことは言ってないよ(笑)。照れる。
オーノ:いやあ、ライブいっしょにやれるのホントうれしいです。楽しみにしてます!
